自分のこだわりがあって作成したグループを運営していると、人が集まって参加してくれている時は良い気分だが、そうでない時に寂しく孤独になることがある。自らソロプレイを望んでいる人ならともかく、皆でワイワイ遊んだり個別に親しくなって関わったりしたい人には不満が募るだろう。
最近思ったのは、人が集まらないっていうのは
人が集まらないって言ってる貴方が作成したグループでの話でしょ、ってこと。
特定のゲームに絞って探せば、一緒に遊ぶ仲間はすぐに見つかる。
○月○○日しかインしないから…… とか
月一回しかインしないから…… とか
あのゲームと、このゲームと、そっちのゲームをやってるから別に…… とか
言ってる場合じゃない。
最初から通話したい、自己紹介メッセージ交換したらすぐ通話したい、なんていう人
ほんの一握りだと思いますよ。通話して楽しめる人を探すのもいいですが
「人が集まらない」「寂しい」と不満を募らせている場合は 行動を変えてみるのも一つの手です。
また、ネット上では若い女性ユーザーなら誰でもチヤホヤされ、コミュ力などが人並み以下の
男性ユーザーの投稿がスルーされる傾向があります。悔しい!と感じる男もいるのでは
ないでしょうか。でも、リアルで面識のない男性に対して女性は厳しいです。
「会いたい」と思ってコンタクトを取ったネット上の女性なんて、殆ど会えません。会えるのは
偶然気が合って、タイミングが合った人同士だと思います。ネット上で出会いを求めるのは
凡人の男には効率が悪すぎます。リアルでやれ、と。
異業種交流会、ランチ会、バーベキュー会、カラオケ会、Facebookイベント、お茶会、
恋活婚活パーティー、結婚相談所 etc...
この中で一番効率が良いのは女性側も出会いを真剣に求めてる結婚相談所ですね。
それに入会するくらい気合があれば、それ以下の交流会に参加するのなんて楽勝です。
わっ、私は○○○のゲーム仲間を求めているんだ!妙齢の女性しか受け付けない(同性には素っ気ない対応)なんてことはないぞ! というなら、ネット上で性別を気にすることないよね。
閑話休題。
毎回通話しながらゲーム遊べる人に限って仲間を探そうとすると、なかなか自分に合った人が見つからないものです。入り口は広くとって、ゲーム内テキストチャットを見直してみましょうか。テキストチャットなら良いよ、って人は無数にいますよね。
それに自分が開設したホームページ上で仲間を求めるなんて、これもまた非効率じゃないのかな、と思った次第で……。
逆に、人が集まっていて仲間が作れる所ってどこなのか。それは……
・公式サイト掲示板(友達/仲間募集トピック等)
・公式サイトからリンクされているファンサイト/ギルドサイト
・ゲーム内メッセージボード/掲示板
・人数が多くてイン率の高いギルド(イン率低い人は遠慮しがちだが、逆に考えてインしない期間は脱退しておけば良いし、月に数日だけガッツリ遊びたい人は日替わりでギルドを転々とするのもまた一つの手)
・mixi コミュニティ(特定のゲームタイトル専用)
・twitter(ゲームタイトル、ハッシュタグなどで検索)
・スカイプ友達募集サイト(特定のゲームタイトルで検索)
「人が集まらない」「寂しい」と不満を募らせている場合、新たに通話しながら一緒にゲームできる仲間を探すのは一先ず置いといて、これまでに出会った友達や仲間に連絡を取って親睦を深めたり、自分のこだわりを見直してみたりすると良いかもしれませんね。
まとめ。
1.妙齢の女性と出会いたいならネット上ではなく、リアルで恋活婚活しましょう。
2.特定のゲーム仲間がほしいなら、既に人が集まっている掲示板やコミュニティを利用しましょう。
3.入り口は広くとってゲーム内テキストチャットから仲間を作り、楽しみましょう。
スカイプ通話しながら一緒にオンラインゲームで遊び、楽しくコミュニケーションを 取りたい人々が集まるグループ「スカイプ通話しながらオンラインゲーム」の共同ブログです。Skypeグループ参加者募集中。 http://scwog.swiki.jp/
2016年4月17日日曜日
2016年4月12日火曜日
SCWOG × SAO 第七話「第四のチェックポイント」
何となく気まずい空気をまとった三人は、第四のスタンプを求めて世界樹へと向かっていた。
VRMMO時代のALOでは、世界樹を攻略することが最終目的とされていたが、このパソコン版のALOでは、世界樹を攻略することが目的とはされていない。パソコン版のALOはVRMMOのGGOの後に作られた製品。世界樹には一階から頂上に向かってのエレベーターが実装されており、誰でも簡単に行き来することができる。
最上階にはアルフが住まう空中都市イグドラル・シティが存在している。アルフ……つまり、ユカが属している種族が本拠地にしている場所だ。今回はこの空中都市イグドラル・シティで武器をそろえてから、世界樹のたもとに向かうようにチェックシートには書かれていた。
三人は世界樹のたもとにたどり着く。だがまだ武器をそろえていないため、何も起きない。このクエストは、武器を購入した後に何かに反応して出現するようになっているようだった。
「とりあえず、空中都市に行こう。二人はちゃんとマニーを持ってるの? っていうか、ユカはアルフだから空中都市のことは知ってるんだよね?」
初めに比べるとちょっとだけ声のトーンが落ちたミカは、それでもリーダーらしく仕切ろうとした。
「はい、知ってますよ。とーっても綺麗な場所です。下界を一望できるところがあって、そこからの眺めは最高ですよ!」
「あ、でも今回はクエストが……」
ミカが言おうとして、口を紡ぐ。不機嫌そうなユウの姿が視えたからだ。
(一番になるには寄り道なんてしている場合じゃない。けど……、本当にそうなのかな?)
と、そんなことを思った自分自身に、ミカは驚く。
「……はぁ、わかってるよ。別にボクはミカ姉に無理をしてほしくないだけで、ミカ姉の行動すべてがダメだとは思ってないから。今日はクエストを優先して、終わってから三人で見学に行こうよ」
「ユウ……!!」
ミカはこみあげてくる感情のまま、ユウに抱き付く。
「わっ!? ちょっとミカ姉!?」
ユウは力強くミカに抱きしめられ、ミカの甘い香りがこっちにまで届いてきそうだと思った。
「うふふ。仲がいいですね、お二人は」
「あぁもう! ユカにも抱きついちゃう!!」
「きゃぁあ!」
ミカは左手でユウを抱きしめ、右手でユカを抱きしめた。三人はこれ以上ないほどに引っ付き、まるで三人で一人の人間のような感覚になる。
(ってボク、男なんだけど。何なんだよこの状況!?)
ユウの心の叫びを無視して、しばらく抱き合ってから三人はエレベーターに乗って空中都市イグドラル・シティに向かった。
エレベーターで頂上にたどり着くと、そこは下界とは全く違う美しい街が広がっていた。花や蝶が飛び交っており、エデンのような場所だとミカとユウは感じた。
「ね、素敵なところでしょ」
ここに来たことのあるユカが、二人を武器防具屋に案内すると言って先導してくれる。戦いでは補助的な役割の彼女だが、今回のクエストの中で一番役立ってるのは、実はユカなんじゃないかと、ユウは思い始めていた。
「ここがこの街で一番大きなお店ですよ」
ユカに案内された店は、外装もさることながら内装もとても丁寧に作られていた。
「すっごーい! こんな剣、見たことないよ!!」
早速武器に夢中になっているミカは大声を上げて、どれを買うかの品定めを始めた。
「ねぇ、ユカ。ここが街で一番大きなお店って言ったけど、他にもお店はあるの?」
店の雰囲気を確認しながら、小声で聞いてくる。一応この店の主人に気を遣っているのだろう。
「あ、はい。ありますよ。NPCじゃなくて、他プレイヤーが店を開いたりもしていますから。ですが……今回は初心者用のクエストなので、武器を買うとしたらここかなと思いまして」
「なるほどね。さすがユカ。じゃあボクも早速買ってこようかな」
ユカの説明で納得したユウは、少しだけ重い剣が置いている場所を見に行った。
(ユウって不思議な人。子どもっぽいところがあるように見るのに、ちゃんと周りも見ていますし、人も見ていて……。今の中学生って、しっかりしているんですね)
ユカはユウの後姿を見て微笑む。
(戦闘力の低い私だけど、この二人のためだったら支えになりたいって思える。二人に負けないように、私も頑張んなきゃ)
そう決心し、ユカもメイスを選びに向かったのだった。
「まいど~!」
上機嫌のNPCは大きな声でそう叫ぶ。そうプログラムされているからだとは思うが、こんなにたくさんの武器と防具を買ってくれたから嬉しそうにしているようにしか見えなかった。
「そうそう、三人はクエスト参加者だよな。この証明書を持って行ってくれ」
店主はそう言うと、IDパスのようなカードをそれぞれに渡した。ここの店主はいつもこんなおまけをつけるのかと、ユカを見ると首を振った。
「ここで買い物をして、こんなことを言われたのは初めてです」
「ってことは、ここで買い物をしたのが正解ってことだね! よっしゃー! じゃあ、早速世界樹のたもとに戻ろう! 何が起こるのかはわかんないけど、こんなめっちゃ強い武器と防具をつけた私たちには怖いものなしだよ!」
いつもの調子を取り戻したミカは、大はしゃぎでそう言う。その姿を見て、ユウはため息をついたのだ。
エレベーターで世界樹を降り、指定されていた場所に行くと、登る前にはいなかった覆面のアルフが一人立っていた。
「覆面!?」
「……嫌な予感がしますね」
及び腰になったユウとユカだが、ミカは全く気にせず一人突っ込んでいく。
「うぉぉぉぉっ!!!!!」
「あ、おい!?」
相手が敵なのかどうかもわからないうちから、覆面アルフを敵とみなしたミカは切りかかりに行く。だが覆面アルフはミカに気がつくと、その攻撃を軽々とかわした。
「なっ!?」
空振りをしてしまったミカに隙が生まれ、そこに覆面アルフが攻撃を仕掛ける――
ガッ
「きゃあっ!?」
ミカはユウとユカがいる場所とは反対側に吹き飛ばされた。さっき購入したばかりの防具が、対アルフ用に施されたものだったため、ダメージはそれほど受けていないが、こちらの攻撃がかすりもしなかったので危機的状態には変わりない。
「あの……ばかっ!」
ユウは剣を取り出し構える。
「ユカ、援護を頼む」
「わかりました! できればミカにも回復魔法をかけたいのですが……」
「ボクがこっちにミカ姉を連れてくるよ」
「お願いします!」
二人がそうやって話している間にも、あきらめの悪いミカは一人で覆面アルフに向かって攻撃を仕掛ける。何度も何度も。だが、どの攻撃も当たらない。
「ちくしょー!! なんでだよ!!!」
「ミカ姉! 落ち着け! こっちに来て、一度体勢を整えよう!」
ユウは叫びながら覆面アルフ越しにミカに訴えかける。覆面アルフはユウにも気づき攻撃を仕掛けようとするが、ユカが補助魔法をかけてくれたおかげで吹き飛ばされずにすんだ。と言っても、HPは少しだけ減少してしまったが。
「嫌だ! だって私は最強の戦士になりたいんだ! だからこんな所で、立ち止まるわけにはいかないんだよ!!!」
ミカは悲鳴にも近い叫び声をあげる。ミカは自分の感情さえも自分で制御できていないのか、そのまま剣を振りかざす。だが、やはり剣は当たらずに空振りをし、覆面アルフの攻撃を受ける――!
「ぐっ!?」
「ミカ姉っ!」
吹き飛ばされたミカ姉をユウは素早く移動し受け止める――が、素早さはあっても力は弱いため、受け止めきれずに一緒に飛ばされてしまう。
「ミカ! ユウ!」
後方に控えていたユカが叫ぶ。そのせいで覆面アルフに存在がばれてしまったが、ユカに攻撃を仕掛けようとはしなかった。それでもユカは、この場所から動くと、相手の攻撃範囲内に入ってしまうかもしれないと思い、動くことができない。
(今私が前衛に出ても、何の力にもならない……!)
ユカは自分の無力さを痛感しながらも、吹き飛ばされた二人を見る。二人のHPは黄色のゲージになってはいるものの、無事のようだった。
「くっそ! 今度こそ!!」
ミカはユウに抱き留められたおかげで、それほどのダメージを受けなかったが、勝てないことへの焦りは募るばかりだった。ミカはムクリと起き上ると、また剣を構えて走り出そうとする。
ガシッ
だが、ミカの左手をユウが握り、走りだせなくなってしまった。
「離せ! ユウ! あいつを倒さなければ!!」
「……いい加減目を覚ませよ! ミカ姉! あんたの力じゃ、全く通用しないのがわからないのか!?」
「っ!? う、うるさい! そんなことは……そんなことは……っ!」
ミカはギリギリと歯ぎしりをする。それはちゃんと自分が、敵わないことを自覚している証拠だ。
「それでも私は、私はあいつに勝つんだ。たとえこの命が尽きても!!」
「っ! 命が尽きても……」
ユウの脳裏に、SAOで本当の命を落とした姉の姿がよぎる。
「こ、このバカミカ!!」
バッシィィ
ユウは思いっきりミカのほっぺを叩く。
「!?」
「命尽きてもなんて気軽に言うんじゃない! ボクの本当の姉はあのSAO事件で本当に命を落としているんだ!」
「……え」
ミカはその言葉で、ようやく我に返る。ゲームの世界なのに、小さな男の子が目の前で泣いているように見えた。プログラムのこの世界で『泣く』というコマンドはないのに。
「で……でも。私は最強に……」
「……最強って、1人でなりたいのかよ。ボク、ミカ姉に聞いたよね。なんでこのパーティーを組もうとしたのかって。あの時は答えてくれなかったけど……パーティーってさ、力を合わせるためのもんじゃないのか」
「力を合わせる……」
ミカの表情がピクリと動く。
「ミカ姉だって、それができないわけじゃないんだ。だって、一番初めのチェックポイントの時は、ちゃんと三人で力を合わせて戦ったじゃないか」
「……!」
ユウはミカの手に手を当てる。
「ボクたちを信じてよ。一緒に戦おう。一緒にミカ姉が目指している最強になっていこう。ね、そのためのパーティーだろ?」
「!!!」
ミカの瞳にだんだんと光が戻り始める。そして……ゆっくりと頷いたのだった。
と、その時――
ピカッ!!
止まったままになっていた覆面アルフがまばゆい光を解き放つ。
「!? ミカ姉! とにかく、ユカの元へ行こう!」
「う、うん!」
ミカとユウは手を繋いで、一人取り残されているユカの所に移動した。三人が同じ場所に揃うと、光は一層激しくなり周りが見えなくなる。
バシューーーーーン
そんな音が聞こえたかと思うと、光は消え去り先ほどまでの景色が見える。
「な、何が起きたんだ?」
「み、見てください! アレフの覆面が外れてます!」
「!?」
ユカにそう言われて見てみると、確かに覆面は外れていた。そして、覆面の下にあった顔はと言うと、穏やかで優しい表情だった。
「パーティーの結束力を確認いたしました。これより、連携魔法の継承を行います」
「「「えぇっ!?」」」
突然のことに、三人は同時に声を発する。だがアルフはそんな三人にお構いなしに、手を上空に上げ光の玉を作る。そしてそれを三人に向けてゆっくりとかざした。光の玉は三人の上で三つに分裂し、それぞれの身体に入っていく……。
「これは火・光・影の三つの力で構成された連携魔法。アルフ族が呪文を唱えることで発動し、一時的に全パラメーターを上げることができる」
「!」
三人は顔を見合わせる。だが、アルフはもう一度、手を上空に挙げて茶色の光の玉を作り、手をかざすと、ミカたちの頭上に球が移動し、二つに分かれてミカとユウの身体に吸収された。
「これはおまけです。火・影の二つの連携魔法は、必殺技の発動。呪文は二人同時に叫ぶことが発動条件となります。最後まで頑張ってくださいね」
アルフはそう言うと微笑んで、姿を消した。アルフがいたところには、スタンプが落ちている。どうやら連携魔法を受け取ることが、第四のチェックポイントの試練だったようだ。
三人はヘナヘナとその場に座り込む。
「覆面のアルフが敵じゃなかっただなんて……」
ミカが呟くようにそう言うと、ユウが軽くミカの腕を押した。
「ミカ姉が暴走するから、こんなことになったんだよ。ちょっとは反省してよ」
「う……」
二人の間にあった硬い空気がなくなっていることに気づき、ユカは嬉しくなる。
「そうだ。二人に回復魔法をかけなきゃですね」
ユカはそう言うと、呪文を唱えて二人の傷を癒した。
「サンキュー、ユカ。色々心配かけてごめんね」
「いいえ、私はずっとミカを信じていましたから」
「……ありがと」
ミカは優しく微笑んで世界樹を見上げる。この世界ってこんなに美しかったっけと、不思議なぐらいに周りがクリアに見えた。
(仲間……か)
その響きが何だか尊いもののような気がして、ミカは少し照れくさくなった。
「次が、最後だよね。チェックポイントはどこにあるの?」
「次は……」
ユカがチェックシートを実体化させて確認する。
「……この下ですね」
「え? それって……」
「はい、地下世界ヨツイヘルムです――」
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
執筆:如月わだい
企画:スカイプ通話しながらオンラインゲームWiki
ラーミア, yayoi shirakawa ,柊正一
挿絵:柊正一
原作:ソードアート・オンライン
第八話「第五チェックポイント」の連載予定は四月十九日頃になります。お楽しみに!
VRMMO時代のALOでは、世界樹を攻略することが最終目的とされていたが、このパソコン版のALOでは、世界樹を攻略することが目的とはされていない。パソコン版のALOはVRMMOのGGOの後に作られた製品。世界樹には一階から頂上に向かってのエレベーターが実装されており、誰でも簡単に行き来することができる。
最上階にはアルフが住まう空中都市イグドラル・シティが存在している。アルフ……つまり、ユカが属している種族が本拠地にしている場所だ。今回はこの空中都市イグドラル・シティで武器をそろえてから、世界樹のたもとに向かうようにチェックシートには書かれていた。
三人は世界樹のたもとにたどり着く。だがまだ武器をそろえていないため、何も起きない。このクエストは、武器を購入した後に何かに反応して出現するようになっているようだった。
「とりあえず、空中都市に行こう。二人はちゃんとマニーを持ってるの? っていうか、ユカはアルフだから空中都市のことは知ってるんだよね?」
初めに比べるとちょっとだけ声のトーンが落ちたミカは、それでもリーダーらしく仕切ろうとした。
「はい、知ってますよ。とーっても綺麗な場所です。下界を一望できるところがあって、そこからの眺めは最高ですよ!」
「あ、でも今回はクエストが……」
ミカが言おうとして、口を紡ぐ。不機嫌そうなユウの姿が視えたからだ。
(一番になるには寄り道なんてしている場合じゃない。けど……、本当にそうなのかな?)
と、そんなことを思った自分自身に、ミカは驚く。
「……はぁ、わかってるよ。別にボクはミカ姉に無理をしてほしくないだけで、ミカ姉の行動すべてがダメだとは思ってないから。今日はクエストを優先して、終わってから三人で見学に行こうよ」
「ユウ……!!」
ミカはこみあげてくる感情のまま、ユウに抱き付く。
「わっ!? ちょっとミカ姉!?」
ユウは力強くミカに抱きしめられ、ミカの甘い香りがこっちにまで届いてきそうだと思った。
「うふふ。仲がいいですね、お二人は」
「あぁもう! ユカにも抱きついちゃう!!」
「きゃぁあ!」
ミカは左手でユウを抱きしめ、右手でユカを抱きしめた。三人はこれ以上ないほどに引っ付き、まるで三人で一人の人間のような感覚になる。
(ってボク、男なんだけど。何なんだよこの状況!?)
ユウの心の叫びを無視して、しばらく抱き合ってから三人はエレベーターに乗って空中都市イグドラル・シティに向かった。
エレベーターで頂上にたどり着くと、そこは下界とは全く違う美しい街が広がっていた。花や蝶が飛び交っており、エデンのような場所だとミカとユウは感じた。
「ね、素敵なところでしょ」
ここに来たことのあるユカが、二人を武器防具屋に案内すると言って先導してくれる。戦いでは補助的な役割の彼女だが、今回のクエストの中で一番役立ってるのは、実はユカなんじゃないかと、ユウは思い始めていた。
「ここがこの街で一番大きなお店ですよ」
ユカに案内された店は、外装もさることながら内装もとても丁寧に作られていた。
「すっごーい! こんな剣、見たことないよ!!」
早速武器に夢中になっているミカは大声を上げて、どれを買うかの品定めを始めた。
「ねぇ、ユカ。ここが街で一番大きなお店って言ったけど、他にもお店はあるの?」
店の雰囲気を確認しながら、小声で聞いてくる。一応この店の主人に気を遣っているのだろう。
「あ、はい。ありますよ。NPCじゃなくて、他プレイヤーが店を開いたりもしていますから。ですが……今回は初心者用のクエストなので、武器を買うとしたらここかなと思いまして」
「なるほどね。さすがユカ。じゃあボクも早速買ってこようかな」
ユカの説明で納得したユウは、少しだけ重い剣が置いている場所を見に行った。
(ユウって不思議な人。子どもっぽいところがあるように見るのに、ちゃんと周りも見ていますし、人も見ていて……。今の中学生って、しっかりしているんですね)
ユカはユウの後姿を見て微笑む。
(戦闘力の低い私だけど、この二人のためだったら支えになりたいって思える。二人に負けないように、私も頑張んなきゃ)
そう決心し、ユカもメイスを選びに向かったのだった。
「まいど~!」
上機嫌のNPCは大きな声でそう叫ぶ。そうプログラムされているからだとは思うが、こんなにたくさんの武器と防具を買ってくれたから嬉しそうにしているようにしか見えなかった。
「そうそう、三人はクエスト参加者だよな。この証明書を持って行ってくれ」
店主はそう言うと、IDパスのようなカードをそれぞれに渡した。ここの店主はいつもこんなおまけをつけるのかと、ユカを見ると首を振った。
「ここで買い物をして、こんなことを言われたのは初めてです」
「ってことは、ここで買い物をしたのが正解ってことだね! よっしゃー! じゃあ、早速世界樹のたもとに戻ろう! 何が起こるのかはわかんないけど、こんなめっちゃ強い武器と防具をつけた私たちには怖いものなしだよ!」
いつもの調子を取り戻したミカは、大はしゃぎでそう言う。その姿を見て、ユウはため息をついたのだ。
エレベーターで世界樹を降り、指定されていた場所に行くと、登る前にはいなかった覆面のアルフが一人立っていた。
「覆面!?」
「……嫌な予感がしますね」
及び腰になったユウとユカだが、ミカは全く気にせず一人突っ込んでいく。
「うぉぉぉぉっ!!!!!」
「あ、おい!?」
相手が敵なのかどうかもわからないうちから、覆面アルフを敵とみなしたミカは切りかかりに行く。だが覆面アルフはミカに気がつくと、その攻撃を軽々とかわした。
「なっ!?」
空振りをしてしまったミカに隙が生まれ、そこに覆面アルフが攻撃を仕掛ける――
ガッ
「きゃあっ!?」
ミカはユウとユカがいる場所とは反対側に吹き飛ばされた。さっき購入したばかりの防具が、対アルフ用に施されたものだったため、ダメージはそれほど受けていないが、こちらの攻撃がかすりもしなかったので危機的状態には変わりない。
「あの……ばかっ!」
ユウは剣を取り出し構える。
「ユカ、援護を頼む」
「わかりました! できればミカにも回復魔法をかけたいのですが……」
「ボクがこっちにミカ姉を連れてくるよ」
「お願いします!」
二人がそうやって話している間にも、あきらめの悪いミカは一人で覆面アルフに向かって攻撃を仕掛ける。何度も何度も。だが、どの攻撃も当たらない。
「ちくしょー!! なんでだよ!!!」
「ミカ姉! 落ち着け! こっちに来て、一度体勢を整えよう!」
ユウは叫びながら覆面アルフ越しにミカに訴えかける。覆面アルフはユウにも気づき攻撃を仕掛けようとするが、ユカが補助魔法をかけてくれたおかげで吹き飛ばされずにすんだ。と言っても、HPは少しだけ減少してしまったが。
「嫌だ! だって私は最強の戦士になりたいんだ! だからこんな所で、立ち止まるわけにはいかないんだよ!!!」
ミカは悲鳴にも近い叫び声をあげる。ミカは自分の感情さえも自分で制御できていないのか、そのまま剣を振りかざす。だが、やはり剣は当たらずに空振りをし、覆面アルフの攻撃を受ける――!
「ぐっ!?」
「ミカ姉っ!」
吹き飛ばされたミカ姉をユウは素早く移動し受け止める――が、素早さはあっても力は弱いため、受け止めきれずに一緒に飛ばされてしまう。
「ミカ! ユウ!」
後方に控えていたユカが叫ぶ。そのせいで覆面アルフに存在がばれてしまったが、ユカに攻撃を仕掛けようとはしなかった。それでもユカは、この場所から動くと、相手の攻撃範囲内に入ってしまうかもしれないと思い、動くことができない。
(今私が前衛に出ても、何の力にもならない……!)
ユカは自分の無力さを痛感しながらも、吹き飛ばされた二人を見る。二人のHPは黄色のゲージになってはいるものの、無事のようだった。
「くっそ! 今度こそ!!」
ミカはユウに抱き留められたおかげで、それほどのダメージを受けなかったが、勝てないことへの焦りは募るばかりだった。ミカはムクリと起き上ると、また剣を構えて走り出そうとする。
ガシッ
だが、ミカの左手をユウが握り、走りだせなくなってしまった。
「離せ! ユウ! あいつを倒さなければ!!」
「……いい加減目を覚ませよ! ミカ姉! あんたの力じゃ、全く通用しないのがわからないのか!?」
「っ!? う、うるさい! そんなことは……そんなことは……っ!」
ミカはギリギリと歯ぎしりをする。それはちゃんと自分が、敵わないことを自覚している証拠だ。
「それでも私は、私はあいつに勝つんだ。たとえこの命が尽きても!!」
「っ! 命が尽きても……」
ユウの脳裏に、SAOで本当の命を落とした姉の姿がよぎる。
「こ、このバカミカ!!」
バッシィィ
ユウは思いっきりミカのほっぺを叩く。
「!?」
「命尽きてもなんて気軽に言うんじゃない! ボクの本当の姉はあのSAO事件で本当に命を落としているんだ!」
「……え」
ミカはその言葉で、ようやく我に返る。ゲームの世界なのに、小さな男の子が目の前で泣いているように見えた。プログラムのこの世界で『泣く』というコマンドはないのに。
「で……でも。私は最強に……」
「……最強って、1人でなりたいのかよ。ボク、ミカ姉に聞いたよね。なんでこのパーティーを組もうとしたのかって。あの時は答えてくれなかったけど……パーティーってさ、力を合わせるためのもんじゃないのか」
「力を合わせる……」
ミカの表情がピクリと動く。
「ミカ姉だって、それができないわけじゃないんだ。だって、一番初めのチェックポイントの時は、ちゃんと三人で力を合わせて戦ったじゃないか」
「……!」
ユウはミカの手に手を当てる。
「ボクたちを信じてよ。一緒に戦おう。一緒にミカ姉が目指している最強になっていこう。ね、そのためのパーティーだろ?」
「!!!」
ミカの瞳にだんだんと光が戻り始める。そして……ゆっくりと頷いたのだった。
と、その時――
ピカッ!!
止まったままになっていた覆面アルフがまばゆい光を解き放つ。
「!? ミカ姉! とにかく、ユカの元へ行こう!」
「う、うん!」
ミカとユウは手を繋いで、一人取り残されているユカの所に移動した。三人が同じ場所に揃うと、光は一層激しくなり周りが見えなくなる。
バシューーーーーン
そんな音が聞こえたかと思うと、光は消え去り先ほどまでの景色が見える。
「な、何が起きたんだ?」
「み、見てください! アレフの覆面が外れてます!」
「!?」
ユカにそう言われて見てみると、確かに覆面は外れていた。そして、覆面の下にあった顔はと言うと、穏やかで優しい表情だった。
「パーティーの結束力を確認いたしました。これより、連携魔法の継承を行います」
「「「えぇっ!?」」」
突然のことに、三人は同時に声を発する。だがアルフはそんな三人にお構いなしに、手を上空に上げ光の玉を作る。そしてそれを三人に向けてゆっくりとかざした。光の玉は三人の上で三つに分裂し、それぞれの身体に入っていく……。
「これは火・光・影の三つの力で構成された連携魔法。アルフ族が呪文を唱えることで発動し、一時的に全パラメーターを上げることができる」
「!」
三人は顔を見合わせる。だが、アルフはもう一度、手を上空に挙げて茶色の光の玉を作り、手をかざすと、ミカたちの頭上に球が移動し、二つに分かれてミカとユウの身体に吸収された。
「これはおまけです。火・影の二つの連携魔法は、必殺技の発動。呪文は二人同時に叫ぶことが発動条件となります。最後まで頑張ってくださいね」
アルフはそう言うと微笑んで、姿を消した。アルフがいたところには、スタンプが落ちている。どうやら連携魔法を受け取ることが、第四のチェックポイントの試練だったようだ。
三人はヘナヘナとその場に座り込む。
「覆面のアルフが敵じゃなかっただなんて……」
ミカが呟くようにそう言うと、ユウが軽くミカの腕を押した。
「ミカ姉が暴走するから、こんなことになったんだよ。ちょっとは反省してよ」
「う……」
二人の間にあった硬い空気がなくなっていることに気づき、ユカは嬉しくなる。
「そうだ。二人に回復魔法をかけなきゃですね」
ユカはそう言うと、呪文を唱えて二人の傷を癒した。
「サンキュー、ユカ。色々心配かけてごめんね」
「いいえ、私はずっとミカを信じていましたから」
「……ありがと」
ミカは優しく微笑んで世界樹を見上げる。この世界ってこんなに美しかったっけと、不思議なぐらいに周りがクリアに見えた。
(仲間……か)
その響きが何だか尊いもののような気がして、ミカは少し照れくさくなった。
「次が、最後だよね。チェックポイントはどこにあるの?」
「次は……」
ユカがチェックシートを実体化させて確認する。
「……この下ですね」
「え? それって……」
「はい、地下世界ヨツイヘルムです――」
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
執筆:如月わだい
企画:スカイプ通話しながらオンラインゲームWiki
ラーミア, yayoi shirakawa ,柊正一
挿絵:柊正一
原作:ソードアート・オンライン
第八話「第五チェックポイント」の連載予定は四月十九日頃になります。お楽しみに!
ラベル:
オンラインゲーム,
スカイプ,
ソードアート・オンライン,
ネトゲ,
連載小説
2016年4月11日月曜日
レクリエーション記事追加 : ネットカフェやホームパーティー等でゲーム一緒に遊ぶ会
主催者と面識のある人が特定のネットカフェや個人宅に集まり、会話しながらゲームの準備をして一緒に遊ぶイベントです。遊べるコンピュータゲームのジャンルは会場設備と参加者の持参物に依存します。主なコミュニケーション方法は、会話またはテキストチャット。
イベントによっては事前告知して開催することで、会場(非公開)にいる参加者と
特定のオンラインゲームにログインしている友達や仲間がパーティーを組んで遊んだり、チャット等でコミュニケーションを取ったりすることが可能です。
参加するのはイベント当日だけで良いため、普段パソコンをネットに繋げていない親友や、交流会などのイベント好きな友達にも参加してもらい易いと思います。
イベントによっては事前告知して開催することで、会場(非公開)にいる参加者と
特定のオンラインゲームにログインしている友達や仲間がパーティーを組んで遊んだり、チャット等でコミュニケーションを取ったりすることが可能です。
参加するのはイベント当日だけで良いため、普段パソコンをネットに繋げていない親友や、交流会などのイベント好きな友達にも参加してもらい易いと思います。
2016年4月8日金曜日
いま思ったこと
通話しながら一緒に特定のネトゲで遊ぶこと。
皆にイベント告知してますが、来てくれる人はごく僅かです。また、告知に時間がかかる割に合ってません。私がしたいのは告知じゃなくて、一緒に遊びに行って楽しむことです。
親しいリア友、同級生、会社の同僚、ネットとリアル両方で繋がりのある人、家族、親戚、ネット上で趣味の合う友達 …… リアルで親しい人に限ってネット上で繋がることができない状況にあったりしますけど、数人でもいたら良いですよね。
今までの経験によると「イベント告知」して来てくれるのは、リアルで開催される交流会ですね。
さて……
通話しながら一緒に特定のネトゲで遊ぶには、どうしたら効率的に人と繋がって楽しめるのだろうと考えています。イベント化は後回しにして、一人ひとりと個別に向き合うスタイルにしたら良いのかなと思ったりしてます。
.hack や、ファンタシースターオンライン2のアニメでは学校の同級生で誘い合って楽しんでますね。現実で元々繋がりのあった人が一緒にネトゲを遊ぶ話なんですが、とても面白いです。また、必ずしもプレイ開始から終わりまで通話してる必要はないのかな、プレイ準備の間だけ通話するのも選択肢の一つだなと思ったりもします。
どんなプレイスタイルにしたら各々が楽しめるか、良かったらこれから一緒に考えていきましょう! よろしくお願いします。
皆にイベント告知してますが、来てくれる人はごく僅かです。また、告知に時間がかかる割に合ってません。私がしたいのは告知じゃなくて、一緒に遊びに行って楽しむことです。
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おすすめ作品情報
こんにちは。最近、プレイステーションVRの情報を追いかけてます。発売を楽しみに待っています。
http://www.jp.playstation.com/psvr/
そして待ちきれず、ドットハック( .hack)アニメ観はじめました。映画「ドットハック セカイの向こうに」DVD借りて観ましたが面白かったです。ネトゲ、立体映像、音響、ヘッドマウントディスプレイに興味ある人はみておいて損はないと思う。
http://www.hack.channel.or.jp/themovie/
その他、ファンタシースターオンライン2のアニメも良かったですよ。
http://phantasystar.sega.jp/psportal/pso15anniversary/animation/
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2016年4月5日火曜日
SCWOG × SAO 第六話「第三のチェックポイント」
「ふふ~ん。絶好調じゃない!? もう二つもスタンプをもらえたし」
三つ目のチェックポイントがある世界樹をぐるりと取り巻いている環状山脈に向かって三人は飛翔している。初めは飛ぶことに抵抗のあったミカだったが、クエストをこなしていくうちに、飛翔することにも抵抗がなくなったようだ。
ただ元気なのはミカだけで、ユカは少し飛ぶスピードが遅れ始めており、ユウはと言えば何かを思案するような表情をしていた。
「ユカ! 次の目的地は環状山脈のどこになるの?」
だか、ミカはユカの変化に気付いていない様子で、やる気に満ちた表情で聞いてくる。ミカはまだまだ体力があり余っているようだ。
「ミカ姉。ちょっと休憩をいれない? 初めのころに比べると、他のパーティーもあんまり見かけなくなったしさ」
体勢を整えなおした方がいいと思っているユウは提案をする。
「な~に言ってるのよ。確かに他パーティーはあんまり見かけなくなったけど、私たちの狙いは一番なんだからね!」
(そうよ、こんなところで立ち止まってなんかいられない! 私は自分が最強だとスノークリスティに認めてもらうんだから!!)
ミカはユカを見ると、手を差し出す。
「ユカ! よかったらチェックシートを私に戻してくれる? 今なら方向音痴も克服できる気がするのよね。こうやって簡単に飛べるようにもなったし」
そう言って、ミカは旋回して見せる。確かに未だ補助ステッキを必要としているユカに比べれば、ミカの方が余裕があるのは明白だ。
「ねっ」
「じ、じゃあ……」
ユカはどうしたらいいのかと迷いながらも、ミカに従おうとする。
「ダメだ!」
だが、二人の間にユウが入ってそのやり取りを止める。
「な、何よ。そんな大声出して……。別に誰が持ってもいいものでしょ?」
「ミカ姉がこれを持ったら、さっきのオークキングの時のように、ボクたちに何も言わず一人で勝手に行ってしまうだろ」
「別にいいじゃない。勝ったんだし」
「本当にいいと思ってるの? ボクたちパーティーを組んでるのに、単独行動しているミカ姉が正しいと思ってる? もし本気でそう思ってるなら、何でメンバーを集めようと思ったの? このクエストが、複数人数じゃないと参加資格がなかったから?」
ユウは一気にミカに対して質問攻めをする。
「な、何よ……。そんな一気に言わなくても……私はただ……」
ミカはどう答えたらいいのかがわからず口ごもってしまう。
「あ、あの! 二人とも地図は私が責任をもって最後まで持ちますから! だから落ち着いてください!」
「でもっ……」
「……ユウ。私はミカを信じていますから」
「ユカ……」
助け舟を出してくれたユカにほっとしながらも、もやもやしたものが心の中に残っている気がするミカだった。
(何で、こんなに胸が苦しいんだろう? 私何も間違ったことなんて言っていないはずなのに……)
まだ納得していないミカは、ユウの横顔をチラッと見る。
「それで第三チェックポイントなんですが、どうやら環状山脈の『東の虹の谷』『西の蝶の谷』『南の竜の谷』の三か所からエーデルワイスを摘んでくると、それがスタンプになるみたいですね」
「エーデルワイス? 歌とかで出てくる花だよね」
ユウはあまり花には詳しくないのか首をかしげる。
「私もあんまり花は得意じゃないかも……」
「大丈夫ですよ。植物なら私が得意ですから。今回は私が活躍できそうですね」
そう言ってユカはユウに向かってウインクをした。
「っ!?」
ユウはユカに気を遣われていることに気付き、何となく気恥ずかしくなった。
「じゃあ行きましょう。ここから近いのは東の虹の谷のようですよ」
疲れが見えていたはずのユカは、元気いっぱいにそう言う。
「うん! 行こう!!」
ミカは自分の心の中にあるもやもやしたものを吹き飛ばすかのように、大きな声を出して気合を入れた。そうしないと、すぐに何か黒いものに自分が捕まってしまいそうだったから。それは見ないようにするのが一番いいと、ミカは考えることをやめた。
「ね、ユウ」
「ユカが……大丈夫なら」
「もちろん大丈夫です」
そう言ってほほ笑むユカの表情を見て、ユウはため息をついて「わかった」と答えた。そして三人は東の虹の谷に向かったのだった。
「あ、あれがエーデルワイスですよ。あの白い花」
崖の先に咲いているエーデルワイスを指さして、ユカが叫ぶ。東の虹の谷は歩きづらい場所ではあったが、エーデルワイスが咲いていた場所は崖になっており、とても見晴らしがよかった。
……つまり、採取するのを一歩間違えれば落下してしまうということ。といっても、ALOの世界では飛翔することができるので、特に危険はないともいえる。
「よーし! じゃあ私が採ってくるね!」
ミカはそう宣言すると、一人で崖の端にまで平然とした態度で取りに行く。いくら背中に羽があるといっても、現実世界では羽のない人間。多少の恐怖を感じてもよさそうだが、そういう繊細なものは全く持ち合わせていないようだった。
「気を付けてくださいね~」
「……」
ユウはミカの後姿を見てから、背を向けて森の方に意識を集中させる。みんなが崖に集中している間に後ろからモンスターが現れたらシャレにならないと思ったからだ。
(どんな時でも注意を払ってないと、何が起こるかなんてわかんないし)
「やったー!! 採れたよ! エーデルワイスGet!! って、きゃっ!?」
エーデルワイスを取ったと同時に、ミカがしゃがんでいた崖の端が崩れ、崖ごとミカは落ちてしまいそうになる。
「ミカっ!!」
そして、ミカをずっと見ていたユカが驚いて助けに行こうとすると、ユカが立ち上がった場所も同じように地面が崩れた――。
「お、おいっ!?」
後ろの異変に気付いたユウが振り返ると、二人が崖から落ちそうになっていた。ユウは瞬時にミカは自分で飛べるが、ユカは補助ステッキがないと飛べないことを思い出し、ユカを助ける決断をした。
「ユカっ!!」
ユウは羽を動かして、崖から落ちたユカを追いかける。
「っ!!!!!!」
ユカは恐怖のあまりに声も出せずに真っ青になって、地面に向かって落ちている。
「ユカっ! 目を開けて! ボクの手につかまって!!」
落下しているユカはユウの叫び声に気付いて目を開ける。すると、上から羽を広げたユウが自分のもとへと来ていることに気付いた。
「ユウっ」
ユカは飛んでいるユウを見て自分も飛べばいいんだと気づいたが、この落下スピードの中で補助ステッキを出す余裕がない。
「手をっ! ボクが引き上げるからっ!!」
「!!」
そう言われてユカは上に手を伸ばす。助かりたいと願いながら必死で。
「もうちょっと……っ!!」
ユウとユカの手の距離が、一メートル、五十センチ、十センチ……そして、
ガシッ
空中で手を握り合う二人。ユウに予想していた以上の負荷がかかったが、何とか耐えきりユカの救出に成功した。
「……ありがとうユウ。死ぬかと思いました……」
「助けられてよかった」
空中に浮かびながらユウはほっと一息つく。
「あっ! ミカはっ!?」
二人が上空を見上げると、エーデルワイスを手に持ったミカが飛翔しながら気まずい表情をしていた。
「ミカ姉……」
ユウがミカに何かを言おうとすると、ユカがそれを制した。
「私は無事だったんですし、責めないでください」
「……でも!」
「大丈夫です。ミカは自分で気づくことができますから」
「……」
ユカはミカに対して強い信頼を抱いているのか、強い瞳でミカを見上げてにっこりとほほ笑んだのだった。
その後も、残りの二か所のエーデルワイスを無事に採取し、三人は三つ目のスタンプを押し、次のステージへと向かった。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
執筆:如月わだい
企画:スカイプ通話しながらオンラインゲームWiki
ラーミア, yayoi shirakawa ,柊正一
挿絵:柊正一
原作:ソードアート・オンライン
第七話「第四チェックポイント」の連載予定は四月十二日頃になります。お楽しみに!
三つ目のチェックポイントがある世界樹をぐるりと取り巻いている環状山脈に向かって三人は飛翔している。初めは飛ぶことに抵抗のあったミカだったが、クエストをこなしていくうちに、飛翔することにも抵抗がなくなったようだ。
ただ元気なのはミカだけで、ユカは少し飛ぶスピードが遅れ始めており、ユウはと言えば何かを思案するような表情をしていた。
「ユカ! 次の目的地は環状山脈のどこになるの?」
だか、ミカはユカの変化に気付いていない様子で、やる気に満ちた表情で聞いてくる。ミカはまだまだ体力があり余っているようだ。
「ミカ姉。ちょっと休憩をいれない? 初めのころに比べると、他のパーティーもあんまり見かけなくなったしさ」
体勢を整えなおした方がいいと思っているユウは提案をする。
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(そうよ、こんなところで立ち止まってなんかいられない! 私は自分が最強だとスノークリスティに認めてもらうんだから!!)
ミカはユカを見ると、手を差し出す。
「ユカ! よかったらチェックシートを私に戻してくれる? 今なら方向音痴も克服できる気がするのよね。こうやって簡単に飛べるようにもなったし」
そう言って、ミカは旋回して見せる。確かに未だ補助ステッキを必要としているユカに比べれば、ミカの方が余裕があるのは明白だ。
「ねっ」
「じ、じゃあ……」
ユカはどうしたらいいのかと迷いながらも、ミカに従おうとする。
「ダメだ!」
だが、二人の間にユウが入ってそのやり取りを止める。
「な、何よ。そんな大声出して……。別に誰が持ってもいいものでしょ?」
「ミカ姉がこれを持ったら、さっきのオークキングの時のように、ボクたちに何も言わず一人で勝手に行ってしまうだろ」
「別にいいじゃない。勝ったんだし」
「本当にいいと思ってるの? ボクたちパーティーを組んでるのに、単独行動しているミカ姉が正しいと思ってる? もし本気でそう思ってるなら、何でメンバーを集めようと思ったの? このクエストが、複数人数じゃないと参加資格がなかったから?」
ユウは一気にミカに対して質問攻めをする。
「な、何よ……。そんな一気に言わなくても……私はただ……」
ミカはどう答えたらいいのかがわからず口ごもってしまう。
「あ、あの! 二人とも地図は私が責任をもって最後まで持ちますから! だから落ち着いてください!」
「でもっ……」
「……ユウ。私はミカを信じていますから」
「ユカ……」
助け舟を出してくれたユカにほっとしながらも、もやもやしたものが心の中に残っている気がするミカだった。
(何で、こんなに胸が苦しいんだろう? 私何も間違ったことなんて言っていないはずなのに……)
まだ納得していないミカは、ユウの横顔をチラッと見る。
「それで第三チェックポイントなんですが、どうやら環状山脈の『東の虹の谷』『西の蝶の谷』『南の竜の谷』の三か所からエーデルワイスを摘んでくると、それがスタンプになるみたいですね」
「エーデルワイス? 歌とかで出てくる花だよね」
ユウはあまり花には詳しくないのか首をかしげる。
「私もあんまり花は得意じゃないかも……」
「大丈夫ですよ。植物なら私が得意ですから。今回は私が活躍できそうですね」
そう言ってユカはユウに向かってウインクをした。
「っ!?」
ユウはユカに気を遣われていることに気付き、何となく気恥ずかしくなった。
「じゃあ行きましょう。ここから近いのは東の虹の谷のようですよ」
疲れが見えていたはずのユカは、元気いっぱいにそう言う。
「うん! 行こう!!」
ミカは自分の心の中にあるもやもやしたものを吹き飛ばすかのように、大きな声を出して気合を入れた。そうしないと、すぐに何か黒いものに自分が捕まってしまいそうだったから。それは見ないようにするのが一番いいと、ミカは考えることをやめた。
「ね、ユウ」
「ユカが……大丈夫なら」
「もちろん大丈夫です」
そう言ってほほ笑むユカの表情を見て、ユウはため息をついて「わかった」と答えた。そして三人は東の虹の谷に向かったのだった。
「あ、あれがエーデルワイスですよ。あの白い花」
崖の先に咲いているエーデルワイスを指さして、ユカが叫ぶ。東の虹の谷は歩きづらい場所ではあったが、エーデルワイスが咲いていた場所は崖になっており、とても見晴らしがよかった。
……つまり、採取するのを一歩間違えれば落下してしまうということ。といっても、ALOの世界では飛翔することができるので、特に危険はないともいえる。
「よーし! じゃあ私が採ってくるね!」
ミカはそう宣言すると、一人で崖の端にまで平然とした態度で取りに行く。いくら背中に羽があるといっても、現実世界では羽のない人間。多少の恐怖を感じてもよさそうだが、そういう繊細なものは全く持ち合わせていないようだった。
「気を付けてくださいね~」
「……」
ユウはミカの後姿を見てから、背を向けて森の方に意識を集中させる。みんなが崖に集中している間に後ろからモンスターが現れたらシャレにならないと思ったからだ。
(どんな時でも注意を払ってないと、何が起こるかなんてわかんないし)
「やったー!! 採れたよ! エーデルワイスGet!! って、きゃっ!?」
エーデルワイスを取ったと同時に、ミカがしゃがんでいた崖の端が崩れ、崖ごとミカは落ちてしまいそうになる。
「ミカっ!!」
そして、ミカをずっと見ていたユカが驚いて助けに行こうとすると、ユカが立ち上がった場所も同じように地面が崩れた――。
「お、おいっ!?」
後ろの異変に気付いたユウが振り返ると、二人が崖から落ちそうになっていた。ユウは瞬時にミカは自分で飛べるが、ユカは補助ステッキがないと飛べないことを思い出し、ユカを助ける決断をした。
「ユカっ!!」
ユウは羽を動かして、崖から落ちたユカを追いかける。
「っ!!!!!!」
ユカは恐怖のあまりに声も出せずに真っ青になって、地面に向かって落ちている。
「ユカっ! 目を開けて! ボクの手につかまって!!」
落下しているユカはユウの叫び声に気付いて目を開ける。すると、上から羽を広げたユウが自分のもとへと来ていることに気付いた。
「ユウっ」
ユカは飛んでいるユウを見て自分も飛べばいいんだと気づいたが、この落下スピードの中で補助ステッキを出す余裕がない。
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ガシッ
空中で手を握り合う二人。ユウに予想していた以上の負荷がかかったが、何とか耐えきりユカの救出に成功した。
「……ありがとうユウ。死ぬかと思いました……」
「助けられてよかった」
空中に浮かびながらユウはほっと一息つく。
「あっ! ミカはっ!?」
二人が上空を見上げると、エーデルワイスを手に持ったミカが飛翔しながら気まずい表情をしていた。
「ミカ姉……」
ユウがミカに何かを言おうとすると、ユカがそれを制した。
「私は無事だったんですし、責めないでください」
「……でも!」
「大丈夫です。ミカは自分で気づくことができますから」
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ユカはミカに対して強い信頼を抱いているのか、強い瞳でミカを見上げてにっこりとほほ笑んだのだった。
その後も、残りの二か所のエーデルワイスを無事に採取し、三人は三つ目のスタンプを押し、次のステージへと向かった。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
執筆:如月わだい
企画:スカイプ通話しながらオンラインゲームWiki
ラーミア, yayoi shirakawa ,柊正一
挿絵:柊正一
原作:ソードアート・オンライン
第七話「第四チェックポイント」の連載予定は四月十二日頃になります。お楽しみに!
ラベル:
オンラインゲーム,
スカイプ,
ソードアート・オンライン,
ネトゲ,
連載小説
2016年3月30日水曜日
SCWOG × SAO 第五話「第二のチェックポイント」
ミカたちはシルフ領へ急ぎ、今度はルグルー回廊に向かっていた。ルグルー回廊はシルフ領の中にある古森の中にあると言われている。だが、シルフのものがいない三人は、誰もその場所がどんなところなのかを知らなかった。
「地図ではこの森の中にあるとしか書かれていませんね」
上空から、下に広がる古森を見下ろしながらユカは残念そうにつぶやく。
「よし、じゃあ、降りよう。すぐ降りよう。もう空は十分だよ~」
空の上だと元気の出ないミカは、ユカにしがみつきながら必死にそう言う。
「……こんなに鬱蒼とした古森だと、場所を把握していなきゃ空からじゃわからないし、降りたほうが早いかもね」
「おぉ! ユウ! いいこと言うじゃん! 人間に二足の足があるのは、地面を走るためにあるって偉い人も言ってたんもんね!」
「……誰の言葉だよ」
「もちろん私の言葉! じゃあ、いっくよ~!!」
急に元気になったミカは、ユカから離れて地上へとグランディングし始めた。
「現金な奴だな」
「ふふふ。でも私は楽しいですよ。ユウはこのパーティー、楽しくはないですか?」
落ち着いた声でそう言われ、ユウは急に恥ずかしさがこみあげてくる。
「……し、知らないよ。そんなの! 行くよ!」
ユウはそう言うと慌ててミカの後を追ってグランディングを始めた。
「ふふ。ミカもユウも良い人でよかった。このイベントが終わったら、二人に彼女を紹介したいな」
ユカは一人でそう言うと、二人の後を追ってグランディングを始めたのだった。
シルフ領の古森の中に入ると、サラマンダー領の古森よりも若干気温が低い。というのも、風が強いために体感温度としてそう感じるのかもしれない。
「よっしゃー! やっぱり地上だと元気百倍だよね!! さっさとルグルー回廊を見つけてスタンプを押すよ~!!」
二人が地上に降りるのを確認すると、ミカは急に走り出してしまった。
「お、おい! 勝手に暴走するなって!」
「待ってください~! ミカ~!」
走り出したミカを追いかけて、ユウとユカも慌てて追いかけた。サラマンダー領の時のように三人で走っていると、目の前に石の塊が姿を現した。
「なんだこれ?」
「わかんない。でも、これがあると向こう側に行くには時間がかかりそうだよね」
「まぁ、そうだね」
「よし、壊そう」
「はい!?」
あまりに短絡的な回答にユウは頭痛がした。だが、ミカは本気なようで呪文を唱えようとしている。
「おいおい、ちょっと待てって……」
「お二人とも~! ちょっとこっちに来てください!」
岩を調べていたユカが少し離れたところから声をかけてくる。ミカとユウは顔を見合わせてから、ユカの近くに行くことにした。
ユカの目の前には、岩に切り込みが入っている部分があった。切り込み部分からは風が吹いてきている。どうやらこの向こうに通路があるらしい。だが通常は、出入り口があったということを、ユウは知り合いのプレイヤーから聞いていた。
「これって……」
ユウは不自然だと思い口にするが、先にユカが思いがけない言葉を発する。
「おそらく引き戸になっていますね」
「引き戸? え? これドアなの?」
ミカはそう言うなり、隙間に指を入れて右側に力を入れる。ユウが「何か変だ」と伝える前に……。
ゴゴゴゴゴゴゴッ
目の前の岩はあっけなく右側に吸い込まれ、今までなかった入り口が出現した。と、同時に目の前には一体のオークが戦闘体勢で立っていた。
「……!?」
「……っ!?」
突然のモンスターの登場に、ユカとユウは固まってしまう。第一のチェックポイントの時には、スタンプの所にしかモンスターが存在していなかったので、油断していたというのもある。
だがどんな時でも緊張をしない人物が一人。
「モンスター覚悟~!!!」
ミカは二人の様子を気にもせずに、たった一人でオークに立ち向かっていく。
「わっばかっ!!」
ユウは感情では止めなければと思っても、身体がいうことを聞いてくれない。隣にいるユカも同じようだった。
「ォラァァァァァッ!!」
ミカは剣を構えてオークを切りつける。
「グアッ! グルルルルッ」
だが一撃ではオークのHPを少ししか削ることができない。
(あいつ一人じゃダメだ……動けボクっ)
ユウは一生懸命に自分で自分に声をかける。だが、ユウのトラウマが脳裏に浮かび上がってしまい、余計に動くことができなくなってしまった。
(何で今になって、あの時のことが頭をよぎるんだよ……)
ユウの姉は、あの忌々しいSAO事件に巻き込まれて死んでしまった。閉じ込められた人たちの多くは、二年後に目を覚ましたが、ユウの姉は一年もたたずにこの世を去った。その時は、もう二度とこんなゲームなんてしないと思っていたが、姉との楽しい思い出もあるゲームを棄てることはできなかった。
「ミカっ! 今、回復魔法をかけます!!」
「っ!!」
ユウよりも先に動けるようになっていたユカが、いまだ戦っているミカに向かって回復魔法をかける。
「サンキュー! ユカ。これで元気一千倍よ! 行くわよ~!!!」
いつの間にかオークのHPはレッドゾーンに来ていた。ユウが過去を思い出している間に、ミカが剣で攻撃をし続けていたおかげだろう。
「これで終わりだ! くらえぇぇぇぇっ!!」
ミカが大降りに剣を振りかざすと、オークの左肩から右腹へと攻撃が当たり、HPがゼロになる。
「ぐっぎゃぁぁぁぁっ!!!!!!」
絶叫の悲鳴を上げると、オークは目の前から消え去った。
「やったね!」
ミカがガッツボーズをとっていると、ユウがミカの傍に近づいていく。
「ごめん。ボク……戦えなくて」
「……」
ミカは全く気にしていなかったが、しょげているユウを見てニッコリと微笑む。
「じゃあさ、ミカ姉って呼んでよ。そしたら今回のことは許してあげる」
「え……」
予想外の言葉にユウは言葉を失う。
「でも今、ボクが一緒に戦っていたら、あんたが怪我なんかせずに済んだのに……そんなことでいいの?」
「そんなことじゃないよ。私にとっては重要なことだもん」
そう言われてしまっては、ユウは返す言葉を見つけられない。
「じゃ、じゃあ……ミカ姉」
「っ!!!」
ミカは心が最高潮に震えるのを感じて、その衝動のままユウをギュッと抱きしめた。
「ちょ、ちょっと!?」
「やっぱり可愛い!!」
ミカはそう言ってユウを抱きしめて喜んでいるが、ユウはそれどころではなかった。これがVRMMOではないにしろ、自分が女性に抱きしめられているというのを視覚としてパソコンで見るのは、多感なお年頃のユウにとっては妄想が止まらなくなってしまう。
(これがVRMMOじゃなくてよかった……)
そんな事を思いながら気持ちを反らし、平常心を保つユウだった。
その後、三人はルグルー回廊の中をユカの先導で無事に最奥にたどり着くことができた。そして第一チェックポイントと同じく、スタンプの前にはオークキングがスタンプを守っていた。
「これは……ゴブリンみたいな感じではなく、本気のボス戦という感じですね」
「……あぁ、けど、入り口のオークの時みたいに、もう怯んだりしないって!? おい、ミカ姉!?」
ユウとユカが話している間にも、ミカは一人オークキングに向かって走り出していた。
「こいつは、オークキングなんだぞ!?」
「そんなのわかってるわ。だから先手必勝よ! おぉおぉぉっ!!!」
ミカはユウの言葉を気にせずに、一人突っ込んで行き、いきなり切りつけている。
「くっ! 強い敵ほど、作戦を練ったほうが良いのに。ユカ、補助と回復魔法を頼む。ボクはミカ姉の後を追うよ」
「うん。ミカのことよろしくね」
ユウが少し逞しくなったなと思いながら、ユカは呪文を唱え始める。力任せのミカには防御力アップの魔法を。俊敏力が高いユウには攻撃力アップの魔法を。
ミカの暴走があったものの、三人は何とかオークキングを倒すことができた。ミカは相変わらずテンションが高いままだったが、このパーティーはこのままで大丈夫なのだろうかと一抹の不安を覚えるユウだった。
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執筆:如月わだい
企画:スカイプ通話しながらオンラインゲームWiki
ラーミア, yayoi shirakawa ,柊正一
挿絵:柊正一
原作:ソードアート・オンライン
第六話「第三チェックポイント」の連載予定は四月五日頃になります。お楽しみに!
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